問題番号 : 110G57

25歳の男性。バイクを運転中に自動車と接触して転倒し,後続の自動車にひかれ救急車で搬入された。来院時,脈拍120/分,整。血圧110/80 mmHg。呼吸数32/分。SpO2 89%(リザーバー付マスク10 L/分 酸素投与下)。胸郭は奇異性運動を起こし努力呼吸である。胸部エックス線写真で右肋骨の多発骨折と肺挫傷とを認めるが,血胸や気胸はみられなかった。
 直ちに行うべきなのはどれか。

正解
c
国試正答率
77%

Assessment
①胸郭の奇異性運動,肋骨骨折 ⇒ 胸壁動揺〈flail

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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