問題番号 : 110G47

85歳の男性。舌の痛みと息切れとを主訴に来院した。半年前から舌の痛みがあり,2か月前からは労作時の息切れを自覚するようになった。食欲は減退し,時々悪心を感じることがあるが,食事は少しずつ摂取できている。下痢や便秘はない。75歳で胃癌のため胃全摘術を受けている。意識は清明。身長162 cm,体重54 kg。体温36.2℃。脈拍80/分,整。血圧110/60 mmHg。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は軽度貧血様である。舌は淡紅色で表面は滑らかである。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で正中に手術痕があり,肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
 この患者で疑うべきなのはどれか。

正解
d
国試正答率
78%

Assessment
①85歳の男性で,舌の痛み(半年前からHunter舌炎)

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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