問題番号 : 110F28

本問は,110F28~29の連問の一部です。

 72歳の男性。突然の背部痛と冷汗とを主訴に来院した。
現病歴:本日午後2時,庭仕事中に突然の背部痛と冷汗とを自覚した。背部痛は,痛み始めが最も強く,腰部へ移動した。症状が続くため受診した。
既往歴:53歳時に高血圧症を指摘され自宅近くの診療所に通院中である。
生活歴:夫婦2人暮らし。現在は無職。喫煙は70歳まで25本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。
現 症:意識は清明。身長158 cm,体重60 kg。脈拍120/分,整。右上肢血圧178/90 mmHg,左上肢血圧172/92 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(−),糖(−)。血液所見:赤血球450万,Hb 13.8 g/dL,Ht 42%,白血球11,800(桿状核好中球22%,分葉核好中球40%,好酸球2%,好塩基球1%,単球7%,リンパ球28%),血小板18万。血液生化学所見:総蛋白6.0 g/dL,AST 52 IU/L,ALT 55 IU/L,LD 290 IU/L(基準176~353),尿素窒素32 mg/dL,クレアチニン0.9 mg/dL,CK 98 IU/L(基準30~140)。胸部CT水平断像(A),腹部CT水平断像(B)及び胸腹部CT矢状断像(C)を別に示す。

 CTで認められるのはどれか。

正解
c
国試正答率
100%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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