問題番号 : 110E69

本問は,110E67~69の連問の一部です。

 28歳の男性。墜落事故のため工事現場から救急車で搬入された。
現病歴:建築作業中に誤って約3 mの高さから墜落し,頭部を強打した。意識障害がみられ,救急搬送された。
既往歴:生来健康で特記すべきことはない。
生活歴:高校卒業後から建築作業員。独身。大酒家で喫煙歴は不明。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:来院時,閉眼。身長170 cm(推定),体重70 kg(推定)。体温36.4℃。脈拍48/分,整。血圧192/104 mmHg。呼吸数12/分。SpO2 92%(リザーバー付マスク10 L/分 酸素投与下)。左側頭部に皮下血腫を認める。瞳孔径両側3 mmで対光反射は正常である。口腔,鼻孔および耳孔からの出血を認めない。他部位の創傷からの外出血はない。心音と呼吸音とに異常を認めない。痛み刺激で開眼し,発語は「あ~」「う~」の発声のみを認める。痛み刺激で手足の逃避的な屈曲を認める。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-)。血液所見:赤血球424万,Hb 13.8 g/dL,Ht 48%,白血球8,600,血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.2 g/dL,アルブミン4.0 g/dL,総ビリルビン0.6 mg/dL,AST 21 IU/L,ALT 28 IU/L,尿素窒素16 mg/dL,クレアチニン0.8 mg/dL,血糖85 mg/dL,Na 142 mEq/L,K 4.2 mEq/L,Cl 102 mEq/L。CRP 1.2 mg/dL。動脈血ガス分析(リザーバー付マスク10 L/分 酸素投与下):pH 7.20,PaCO2 64 Torr,PaO2 62 Torr,HCO3 24 mEq/L。胸部エックス線写真と骨盤部エックス線写真とで異常を認めない。頭部単純CTで異常を認めない。
その後の経過:翌日に撮影された頭部MRIのFLAIR像で脳梁を中心とした白質に小さな高信号領域の散在を認めた。受傷後4日目に開眼し,受傷後5日目には意識レベルはJCSⅠ-1となった。リハビリテーションを進め自宅退院を目指すことになった。

 退院後も長期に認められる可能性があるのはどれか。

正解
e
国試正答率
53%

Assessment
①3 mの高さから墜落し,頭部を強打した ⇒ 頭部外傷の

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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