問題番号 : 110E46

46歳の男性。全身のしびれと悪心とを主訴に来院した。初夏のある朝,朝食にアサリの味噌汁,焼魚および山菜を食べた。アサリと魚は汽水域で採ったもの,山菜は近くの山野で採取したものである。食べて10分後に口唇がしびれるのを感じ,20分後にはしびれが全身に広がり悪心も生じたため朝食後40分して受診した。一緒に食事をした妻も口唇のしびれを訴えている。来院時,意識は清明。体温36.0℃。脈拍84/分,不整。血圧116/70 mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。顔面と四肢とに知覚異常がある。瞳孔径は両側6 mmで,対光反射は正常。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。腸雑音はやや亢進している。胸部エックス線写真で異常を認めない。心電図モニターで心室性期外収縮が観察されている。
 優先すべき処置はどれか。

正解
a
国試正答率
75%

Assessment
①汽水域で採取したアサリ・焼魚,山菜を摂取10分後の口唇

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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