問題番号 : 110D45

70歳の男性。傾眠状態と見当識障害のために,かかりつけの診療所から紹介されて来院した。4か月前から食道癌に対して抗癌化学療法を行っており,1か月前からはバソプレシン拮抗薬も併用していた。この数日は全身倦怠感と食欲不振があるため,かかりつけの診療所で点滴を受けていたが,傾眠状態と見当識障害が出てきたため紹介されて受診した。問いかけに応答はできるが反応は遅く内容は必ずしも適切でない。身体所見に異常を認めない。尿所見:比重1.012,蛋白(-),糖(-)。血液生化学所見:アルブミン3.9 g/dL,尿素窒素11 mg/dL,クレアチニン0.7 mg/dL,尿酸1.3 mg/dL,血糖90 mg/dL,Na 119 mEq/L,K 4.0 mEq/L,Cl 87 mEq/L,Ca 9.6 mg/dL。
 この患者にまず行うべき対応はどれか。

正解
a
国試正答率
30%

Assessment
①食道癌に対する化学療法中+バソプレシン拮抗薬併用 ⇒

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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