問題番号 : 110A55

2歳の女児。発熱を主訴に母親に連れられて来院した。4日前から発熱があり,食欲が低下してきたため受診した。体温38.8℃。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に発赤を認める。両側の頸部に径1.5 cmのリンパ節を数個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝を右季肋下に2 cm,脾を左季肋下に4 cm触知する。血液所見:赤血球425万,Hb 11.3 g/dL,Ht 33%,白血球21,800(好中球20%,好酸球1%,好塩基球0%,単球5%,リンパ球74%),血小板19万。血液生化学所見:AST 78 IU/L,ALT 66 IU/L,LD 477 IU/L(基準176~353),尿酸4.7 mg/dL。CRP 1.0 mg/dL。胸部エックス線写真で心胸郭比50%。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。
 考えられる原因はどれか。2つ選べ

正解
a, d
国試正答率
67%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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