問題番号 : 110A30

75歳の男性。食欲不振と腹部膨満感とを主訴に来院した。1年前に進行胃癌で胃全摘術を受けている。術後に抗癌化学療法が行われたが,その後は通院していなかった。3週前から少しずつ食欲不振と腹部膨満感とを認め,2日前から急激に増悪した。食事摂取量は低下していたが,排便と排ガスは認めていた。身長167 cm,体重45 kg。体温36.6℃。脈拍84/分,整。血圧136/80 mmHg。眼球結膜は軽度貧血様である。手掌紅斑やくも状血管腫は認めない。腹部は全体に膨隆,緊満し,臍窩の平坦化,波動を認める。肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認める。腹部単純CTを別に示す。
 次に行うべき検査はどれか。

正解
b
国試正答率
97%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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