問題番号 : 110A29

41歳の女性。喘鳴と呼吸困難とを主訴に来院した。1年前から感冒に罹患すると咳が長引くことが多く,一度,市販の解熱薬を服用した際に呼吸困難で,自宅近くの診療所を受診したことがあった。2日前から咽頭痛,鼻汁および発熱が出現し,その後,咳嗽,呼吸困難および喘鳴も出現した。本日の午前1時ころから呼吸困難が著明となったため,午前2時に救急外来を受診した。25歳からアレルギー性鼻炎を指摘されている。喫煙歴と飲酒歴はない。喘鳴と呼吸困難とを認めるが会話はかろうじて可能である。体温38.2℃。SpO2 88%(room air)。両側の胸部で呼気時のwheezesを聴取する。胸部エックス線写真で異常を認めない。酸素投与を開始した。
 次に行うべき治療はどれか。

正解
e
国試正答率
73%

Assessment
 中年女性で感冒を契機に繰り返してみられる喘鳴,呼吸困難

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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