問題番号 : 110A22

62歳の女性。失見当のため来院した。7日前から歯痛があり食欲不振となり,3日前から頭痛が出現した。今朝,自宅にいるのにコンビニの中と勘違いし,携帯電話をまんじゅうと思いかじりついたため,心配した家族に伴われて受診した。意識レベルはJCSⅠ-3。身長156 cm,体重45 kg。体温38.2℃。脈拍76/分,整。血圧108/60 mmHg。呼吸数18/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。場所と時間の見当識障害がある。言語理解と物品呼称が障害されている。項部硬直を軽度に認める。脳神経,運動系および感覚系の異常を認めない。手に持ったものは何でも口に入れようとする。血液所見:赤血球410万,Hb 13.1 g/dL,Ht 40%,白血球6,600,血小板31万。血糖96 mg/dL。CRP 0.2 mg/dL。脳脊髄液所見:初圧230 mmH2O(基準70~170),外観は無色透明,細胞数74/mm3(基準0~2)(単核球96%,多形核球4%),蛋白62 mg/dL(基準15~45),糖60 mg/dL(基準50~75)。頭部MRIの拡散強調冠状断像を別に示す。
 原因として考えられる病原体はどれか。

正解
e
国試正答率
89%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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