問題番号 : 109I51

16歳の女子。呼吸困難のため搬入された。母親と口論した後に息苦しさと両手足のしびれ感とを訴え,次第に増悪するため救急搬送された。意識は清明。身長160 cm,体重52 kg。体温36.4℃。心拍数96/分,整。血圧96/48 mmHg。呼吸数22/分。顔貌は不安様である。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。両手指は硬直している。血液所見:赤血球380万,Hb 13.0 g/dL,Ht 38%,白血球6,800,血小板25万。
 この患者でみられるのはどれか。

正解
e
国試正答率
98%

Assessment
①16歳の女子 ⇒ 思春期の女子
②母親と口論後の発症

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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