本問は,109G67~69の連問の一部です。
62歳の女性。胃病変の精査と内視鏡治療とを希望して来院した。
現病歴:3年前に胸やけがあり,自宅近くの医療機関で上部消化管内視鏡検査を施行され,逆流性食道炎と診断された。その後,近くの診療所でプロトンポンプ阻害薬を投与されていた。1か月前から再度,食後や就寝後に胸やけが生じるようになったため,同じ医療機関で上部消化管内視鏡検査を受けたところ,逆流性食道炎は治っているが胃に異常があると言われた。胃病変が心配になりインターネットで検索した結果,早期の癌は内視鏡で治療できると記載があったため,胃病変の精査と内視鏡治療とを希望して受診した。
既往歴:5年前から高血圧症で治療中。
生活歴:喫煙歴と飲酒歴とはない。
家族歴:父親が糖尿病。
現 症:意識は清明。身長156 cm,体重48 kg。体温36.2℃。脈拍68/分,整。血圧114/76 mmHg。呼吸数14/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で,心窩部に圧痛を認めるが腫瘤は触知しない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-),沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球400万,Hb 12.1 g/dL,Ht 40%,白血球8,200,血小板30万。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。上部消化管内視鏡像(A)(B)を別に示す。
別に示す生検組織のH-E染色標本のうち,この病変と考えられるのはどれか。