問題番号 : 109G62

本問は,109G61~63の連問の一部です。

 72歳の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。
現病歴:7日前に自宅を出たところでつまずいて転倒し,腰痛が生じたため自宅近くの診療所にて鎮痛薬を処方されて頻回に服用していた。3日前から全身倦怠感と食欲低下とを自覚していたが,今朝になり食事がとれなくなったため家族に付き添われて受診した。
既往歴:中学生時に虫垂炎。高血圧症,糖尿病および脂質異常症で内服治療中。
生活歴:喫煙は60歳まで20本/日を40年間。12年前から禁煙している。飲酒は機会飲酒。
家族歴:父親が肺癌で死亡。母親が脳卒中で死亡。
現 症:意識レベルはJCSⅠ-1。身長160 cm,体重66 kg。体温36.4℃。脈拍52/分,整。血圧120/60 mmHg。呼吸数18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。
検査所見:血液所見:赤血球383万,Hb 11.0 g/dL,Ht 34%,白血球8,400,血小板22万。血液生化学所見:総蛋白7.0 g/dL,アルブミン3.5 g/dL,総ビリルビン0.9 mg/dL,AST 34 IU/L,ALT 42 IU/L,LD 341 IU/L(基準176~353),ALP 281 IU/L(基準115~359),γ-GTP 48 IU/L(基準8~50),アミラーゼ74 IU/L(基準37~160),CK 162 IU/L(基準30~140),尿素窒素32 mg/dL,クレアチニン1.6 mg/dL,尿酸8.4 mg/dL,血糖124 mg/dL,HbA1c 6.8%(基準4.6~6.2),Na 138 mEq/L,K 7.8 mEq/L,Cl 108 mEq/L。CRP 0.3 mg/dL。
 投与すべき薬剤はどれか。

正解
e
国試正答率
99%

Assessment
①転倒後,腰痛に対して鎮痛薬を頻回に服用 ⇒ 腎障害や胃

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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