問題番号 : 109G54

63歳の男性。頭痛と複視とを主訴に来院した。半年前に下腿浮腫,筋力低下,倦怠感および皮膚乾燥があり自宅近くの診療所を受診した。TSH 3.7 μU/mL(基準0.4~4.0),FT4 0.3 ng/dL(基準0.8~1.8)の検査結果から甲状腺ホルモン補充療法(レボチロキシン50 μg/日)が開始された。2か月前から食欲が低下し体重も減少してきていた。今朝,突然に右前額部痛,嘔吐および複視が出現したため救急外来を受診した。意識は清明。身長169 cm,体重69 kg(2か月前は75 kg)。体温36.8℃。脈拍80/分,整。血圧154/92 mmHg。右眼瞼下垂と右眼球外転偏位とを認める。四肢麻痺はない。頭部単純MRIのT1強調像の矢状断像(A)と冠状断像(B)を別に示す。
 基礎疾患として最も考えられるのはどれか。

正解
c
国試正答率
77%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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