問題番号 : 109F29

本問は,109F28~29の連問の一部です。

 68歳の男性。発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した。
現病歴:昨日から38℃台の発熱,頭痛,全身倦怠感および筋肉痛を認め,食欲も低下したため朝になって受診した。
既往歴:30年前から高血圧症の治療を受けている。
生活歴:妻,長男夫婦,小学生の孫1人と同居している。喫煙歴はない。飲酒は日本酒1合/日を30年間。
家族歴:10日前に孫が,5日前に長男がそれぞれ高熱を出して学校や仕事を休んでいた。
現 症:意識は清明。体温38.4℃。脈拍96/分,整。血圧138/76 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97%(room air)。咽頭に軽度発赤を認める。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。項部硬直を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦,軟で,圧痛を認めない。肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。四肢に浮腫を認めない。
  この患者の診断のため鼻咽頭ぬぐい液を綿棒で採取し,外来で迅速検査を行うことにした。 検査の結果は陰性であった。
患者がこの疾患に罹患している検査前確率を75%としたときの検査後確率に最も近いのはどれか。
 ただし,この検査の感度は60%,特異度は96%とする。

正解
e
国試正答率
79%

Assessment
①68歳の男性
②主訴:発熱,全身倦怠感
③現病歴:昨日

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