本問は,109E63~65の連問の一部です。
67歳の男性。交通事故で受傷したため搬入された。
現病歴:道路を歩いて横断中,自動車に衝突され跳ね飛ばされ転倒した。直ちに救急車が要請された。救急隊到着時,意識は清明で右殿部を痛がり,歩行不能であった。四肢に明らかな麻痺はなかった。救急車で救命救急センターに搬送された。
既往歴:高血圧症で内服治療中。
生活歴:妻と2人暮らし。定年退職後は無職。日常生活は自立し毎朝の散歩を日課にしていた。
家族歴:父親が高血圧性脳内出血で死亡。母親が認知症。
現 症:病院到着時は不穏。体温36.0℃。心拍数136/分,整。血圧70/38 mmHg。呼吸数32/分。SpO2 95%(リザーバー付マスク10 L/分 100%酸素投与下)。右腰部に皮下出血がみられ,仙骨部に圧痛を認める。腹部は平坦で,軽度の反跳痛を認める。外尿道口から出血を認める。
検査所見:血液所見:赤血球243万,Hb 5.4 g/dL,Ht 22%,白血球8,400,血小板12万。血液生化学所見:AST 56 IU/L,ALT 42 IU/L,尿素窒素24 mg/dL,クレアチニン1.4 mg/dL。CRP 5.2 mg/dL。
この患者に,まず赤血球濃厚液4単位を輸血した場合のHb(g/dL)として最も考えられるのはどれか。
なお,患者の体重は60 kg,輸血に使用した血液のHbは1単位28 g,循環血液量は体重の7%とし,さらなる失血と輸液の影響は考慮しないものとする。