問題番号 : 109E53

82歳の男性。易疲労感を主訴に来院した。3か月前から顔面が蒼白であることを指摘され,息切れと易疲労感とを自覚するようになった。2か月前から味覚異常と手足のしびれとを感じていた。3週前から易疲労感が増悪するため受診した。20年前に胃癌に対し胃全摘術を受けたが,10年前から自らの判断で通院をやめていた。身長172 cm,体重56 kg。体温36.2℃。脈拍92/分,整。血圧102/66 mmHg。呼吸数18/分。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。下腿に軽度の浮腫を認める。下腿から遠位に感覚障害を認める。血液所見:赤血球172万,Hb 6.8 g/dL,Ht 21%,白血球3,300,血小板11万。血液生化学所見:総蛋白5.8 g/dL,アルブミン2.8 g/dL,総ビリルビン1.2 mg/dL,AST 24 IU/L,ALT 32 IU/L,LD 648 IU/L(基準176~353),尿素窒素11 mg/dL,クレアチニン0.9 mg/dL,血糖106 mg/dL。
 まず投与すべきなのはどれか。

正解
e
国試正答率
91%

Assessment
①82歳の男性 ⇒ 高齢者
②3か月前から顔面蒼白,息切

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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