81歳の女性。右季肋部痛と嘔吐とを主訴に来院した。昨日18時ころ,食事中に急に右季肋部から心窩部にかけての痛みが出現し,その後,痛みが増強し嘔吐を伴うようになったため午前1時に受診した。高血圧症で降圧薬を内服している。意識は清明。身長147 cm,体重40 kg。体温36.8℃。脈拍80/分,整。血圧178/90 mmHg。呼吸数14/分。SpO2 98%(room air)。腹部は膨満し,腸雑音は消失。右季肋部に圧痛を認め,呼吸性に移動する小児手拳大の腫瘤を触知する。筋性防御と反跳痛とを認めない。血液所見:赤血球318万,Hb 9.8 g/dL,Ht 32%,白血球11,800(桿状核好中球52%,分葉核好中球30%,好酸球2%,好塩基球1%,単球4%,リンパ球11%)。血液生化学所見:総蛋白6.6 g/dL,アルブミン2.5 g/dL,総ビリルビン3.1 mg/dL,直接ビリルビン2.3 mg/dL,AST 56 IU/L,ALT 48 IU/L,LD 480 IU/L(基準176~353),ALP 454 IU/L(基準115~359),γ-GTP 132 IU/L(基準8~50),アミラーゼ115 IU/L(基準37~160),尿素窒素20 mg/dL,クレアチニン1.3 mg/dL。CRP 4.3 mg/dL。腹部超音波検査と腹部単純CTとで胆嚢の腫大と胆嚢壁肥厚とを認める。腹部造影CTの動脈相と後期相で胆嚢壁の濃染を認めない。緊急に腹腔鏡下胆嚢摘出術が行われた。術中の写真(A)と摘出胆嚢の粘膜面の写真(B)とを別に示す。
最も考えられる疾患はどれか。