本問は,109B56~58の連問の一部です。
67歳の男性。人間ドックで異常を指摘され来院した。
現病歴:5年前に退職してから健康診断を受けていなかった。妻に勧められて初めて受診した人間ドックで肥満,耐糖能障害および脂質異常症を指摘され,妻とともに来院した。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴:父親が胃癌。
現 症:意識は清明。身長170 cm,体重80 kg。体温36.5℃。脈拍68/分,整。血圧130/94 mmHg。呼吸数18/分。眉弓部の膨隆,下顎の突出,鼻と口唇の肥大および巨大舌を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に発赤を認めない。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。手足の体積の増大を認める。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。腱反射に異常を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-),ケトン体(-),潜血(±),沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球487万,Hb 14.6 g/dL,Ht 43%,白血球4,000,血小板23万,PT 115%(基準80~120)。血液生化学所見:総蛋白7.2 g/dL,アルブミン4.2 g/dL,総ビリルビン0.6 mg/dL,AST 21 IU/L,ALT 28 IU/L,LD 185 IU/L(基準176~353),ALP 277 IU/L(基準115~359),γ-GTP 34 IU/L(基準8~50),アミラーゼ76 IU/L(基準37~160),CK 135 IU/L(基準30~140),尿素窒素14 mg/dL,クレアチニン0.7 mg/dL,尿酸5.9 mg/dL,血糖127 mg/dL,HbA1c 7.0%(基準4.6~6.2),トリグリセリド162 mg/dL,HDLコレステロール75 mg/dL,LDLコレステロール146 mg/dL,Na 142 mEq/L,K 4.6 mEq/L,Cl 102 mEq/L,Ca 9.3 mg/dL,P 4.0 mg/dL,TSH 0.6 μU/mL(基準0.4~4.0),FT4 1.1 ng/dL(基準0.8~1.8)。心電図に異常を認めない。胸部エックス線写真で心胸郭比54%。頭部エックス線写真を別に示す。頭部MRIで下垂体に限局した腫瘤を認める。
この患者に行うべき検査として有用でないのはどれか。
