問題番号 : 109A35

45歳の女性。腹痛を主訴に来院した。昨日の昼食後から心窩部痛が出現し,上腹部不快感と悪心とを伴っていた。今朝には痛みが下腹部にも広がり徐々に増強し,歩くと腹壁に響くようになったため受診した。妊娠の可能性はないという。体温37.8℃。脈拍92/分,整。血圧112/70 mmHg。呼吸数18/分。腹部は平坦で,右下腹部に圧痛と反跳痛とを認める。腸雑音は低下している。肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-)。血液所見:赤血球471万,Hb 14.5 g/dL,Ht 42%,白血球14,800,血小板32万。血液生化学所見:総ビリルビン1.3 mg/dL,AST 15 IU/L,ALT 15 IU/L,ALP 154 IU/L(基準115~359),γ-GTP 10 IU/L(基準8~50),アミラーゼ35 IU/L(基準37~160),尿素窒素22 mg/dL,クレアチニン0.6 mg/dL,血糖112 mg/dL。CRP 3.4 mg/dL。腹部超音波検査は腸管ガスにて所見は不明瞭であった。腹部単純CT(A)(B)(C)を別に示す。
 治療として最も適切なのはどれか。

正解
b
国試正答率
98%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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