問題番号 : 109A33

60歳の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。5日前に同窓会で大量に飲酒,飲食をした。同日の深夜に心窩部と前胸部とに強い痛みと冷汗とが出現し嘔吐した。痛みは頸部から左肩へ放散し,1時間以上持続していたが,飲み過ぎと思ってそのまま入眠した。翌日には胸痛がなかったが,徐々に全身倦怠感と食欲不振とが出現してきたため家族に付き添われて受診した。既往歴に特記すべきことはなく,人間ドックで異常を指摘されたこともない。意識は清明。身長166 cm,体重68 kg。体温36.8℃。脈拍76/分,整。血圧120/76 mmHg。呼吸数14/分。SpO2 98%(room air)。Ⅲ音とⅣ音とを聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。胸部エックス線写真で心胸郭比54%,肺野に異常を認めない。心電図を別に示す。
 現時点で確定診断のために有用な血液検査項目はどれか。

正解
e
国試正答率
94%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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