問題番号 : 109A31

78歳の男性。動悸を主訴に来院した。3日前に家の片付けを行っていたところ動悸を初めて自覚した。動悸は突然始まり,脈がバラバラに乱れている感じで持続していたが,日常生活には影響しなかったので経過をみていた。本日になっても続くため心配になって受診した。特に易疲労感,呼吸困難感およびめまいなどは自覚していない。10年前から高血圧症で加療中。家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長168 cm,体重62 kg。体温36.2℃。脈拍76/分,不整。血圧152/90 mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。Ⅰ音の強さが変化する。呼吸音に異常を認めない。血液所見:赤血球464万,Hb 14.0 g/dL,Ht 42%,白血球6,800,血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.0 g/dL,アルブミン3.6 g/dL,総ビリルビン0.9 mg/dL,AST 26 IU/L,ALT 18 IU/L,LD 178 IU/L(基準176~353),ALP 352 IU/L(基準115~359),γ-GTP 42 IU/L(基準8~50),尿素窒素12 mg/dL,クレアチニン0.6 mg/dL,Na 138 mEq/L,K 4.4 mEq/L,Cl 97 mEq/L,TSH 0.8 μU/mL(基準0.4~4.0),FT4 1.4 ng/dL(基準0.8~1.8)。胸部エックス線写真で心胸郭比48%,肺野に異常を認めない。心電図を別に示す。
 まず行うべき対応はどれか。

正解
b
国試正答率
69%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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