本問は,108G67~69の連問の一部です。
62歳の男性。心窩部痛を主訴に来院した。
現病歴:3か月前から時々心窩部不快感を自覚するようになった。最近,会社の同僚が同じような症状で胃癌の診断を受け手術を行ったため,自分も胃癌ではないかと心配になっていた。食欲低下も出現したため,市販の胃薬を内服したところ心窩部不快感と食欲不振とは改善した。その後仕事が忙しく,時々心窩部不快感はあったがそのままにしていた。1週前に腰部を打撲し,自宅近くの診療所で治療を受け2日後には軽快した。3日前から心窩部痛が持続するようになり,夜間就寝中にも痛みで覚醒するようになった。テレビで胃癌の原因がHelicobacter pyloriの感染であることを聞いて心配になり,上部消化管内視鏡検査を希望し受診した。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
現 症:意識は清明。体温36.7℃。脈拍76/分,整。血圧128/70 mmHg。呼吸数16/分。腹部は平坦で,肝・脾を触知しない。心窩部に軽度の圧痛を認めるが,腫瘤は触知しない。直腸指診で異常を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-)。血液所見:赤血球330万,Hb 11.8 g/dL,Ht 32%,白血球7,200,血小板24万。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。上部消化管内視鏡像を別に示す。
Helicobacter pylori感染診断を行った。その結果を以下の画像に示す。
用いた診断法はどれか。