問題番号 : 108E63

本問は,108E63~65の連問の一部です。

 34歳の男性。熱傷のため搬入された。
現病歴:自宅で就寝中に火災が発生して熱傷を負い,救急車で搬送された。
既往歴:生来健康で,特記すべきことはない。
生活歴:喫煙は20本/日を14年間。飲酒は日本酒3合/日を14年間。
家族歴:特記すべきことはない。一人暮らし。
現 症:意識レベルはJCSⅡ-20。身長173 cm,体重60 kg。体温37.4℃。脈拍136/分,整。血圧84/62 mmHg。呼吸数36/分。SpO2 88%(リザーバー付マスク10 L/分 酸素投与下)。頭髪は焦げ,両上肢と体幹の皮膚に熱傷を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口唇と鼻孔周囲とに煤の付着を認める。口腔と咽頭の粘膜は煤が付着し浮腫状である。両側の胸部にcoarse cracklesを聴取し,吸気時に喘鳴を聴取する。四肢末梢の脈拍は触知可能である。熱傷深度と熱傷範囲を表した図を別に示す。
検査所見:尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血2+。血液所見:赤血球561万,Hb 17.7 g/dL,Ht 50%,白血球21,400,血小板36万。血液生化学所見:Na 136 mEq/L,K 3.9 mEq/L,Cl 101 mEq/L。血中一酸化炭素ヘモグロビン濃度20%(基準1以下)。胸腹部の簡易超音波検査では,心嚢液貯留を認めず,胸腔や腹腔に液体貯留を認めない。
 9の法則で評価したこの患者のBurn Indexはどれか。

正解
c
国試正答率
81%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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