問題番号 : 108E55

20歳の男性。意識障害のため搬入された。約1時間前に自殺目的で有機リン系殺虫剤を約500 mL飲んだことが判明している。救急隊からの連絡によると,救急車内での意識レベルはJCSⅢ-300。体温36.0℃。脈拍80/分,整。血圧110/72 mmHg。呼吸数10/分。SpO2 100%(リザーバー付マスク10 L/分 酸素投与下)。救急外来への搬入時に嘔吐し,尿失禁と便失禁とがあり,有機溶媒臭が漂っている。
 まず行うべき対応はどれか。

正解
a
国試正答率
58%

Assessment
①有機リン系殺虫剤を飲んだ ⇒ 有機リン中毒
②意識レベ

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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