問題番号 : 108E49
66歳の男性。労作時の呼吸困難を主訴に来院した。2か月前から階段を昇るときに呼吸困難を自覚するようになった。身長175 cm,体重60 kg。脈拍72/分,整。血圧136/80 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 94%(room air)。呼吸音は両側でやや減弱し,打診で両側の胸部に鼓音を認める。胸部エックス線写真(A)と肺野条件の胸部単純CT(B)とを別に示す。 別に示すflow-volume曲線(C)①~⑤のうち,この患者に予想されるのはどれか。
画像診断:上画像参照。Assessment:
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。