問題番号 : 108D55

52歳の男性。発熱と咳嗽とを主訴に来院した。3日前から39.2℃の発熱が出現し,市販の総合感冒薬を内服したが症状が改善しなかった。昨日から咳嗽,喀痰および息切れを自覚するようになり受診した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。ペットは飼育していない。1週前に温泉に行ったという。意識は清明。体温38.5℃。脈拍96/分,整。血圧142/84 mmHg。呼吸数30/分。SpO2 93%(リザーバー付マスク10 L/分 酸素投与下)。心音に異常を認めない。右胸部にfine cracklesとcoarse cracklesとを聴取する。血液所見:赤血球390万,Hb 13.8 g/dL,Ht 39%,白血球8,300(桿状核好中球8%,分葉核好中球79%,好酸球1%,単球2%,リンパ球10%),血小板24万。血液生化学所見:総蛋白5.6 g/dL,アルブミン2.8 g/dL,AST 40 IU/L,ALT 38 IU/L,LD 340 IU/L(基準176~353),CK 350 IU/L(基準30~140),尿素窒素27 mg/dL,クレアチニン0.9 mg/dL,Na 128 mEq/L,K 3.6 mEq/L,Cl 102 mEq/L。CRP 35 mg/dL。喀痰のヒメネス〈Gimenez〉染色標本で桿菌を認める。胸部エックス線写真にて右中下肺野に浸潤影を認める。肺野条件の胸部単純CTを別に示す。
 抗菌薬として適切なのはどれか。2つ選べ

正解
b, c
国試正答率
93%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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