問題番号 : 108D48

70歳の女性。3週前に右大腿部の蜂巣炎〈蜂窩織炎〉で入院した。セファゾリンの投与により軽快したが,2日前から38℃の発熱と1日10回の下痢が出現した。意識は清明。体温38.5℃。脈拍120/分,整。血圧110/60 mmHg。呼吸数20/分。血液所見:赤血球320万,Hb 10.3 g/dL,Ht 31%,白血球19,300(分葉核好中球72%,好酸球2%,単球10%,リンパ球16%),血小板19万。血液生化学所見:アルブミン2.8 g/dL,尿素窒素50 mg/dL,クレアチニン3.8 mg/dL(5日前は0.8 mg/dL),Na 138 mEq/L,K 4.7 mEq/L,Cl 109 mEq/L。下部消化管内視鏡像を別に示す。
 最も考えられるのはどれか。

正解
b
国試正答率
100%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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