問題番号 : 108C30

本問は,108C30~31の連問の一部です。

 17歳の男子。呼吸困難を主訴に来院した。
現病歴:6か月前に左胸痛と労作時息切れを自覚したことがあったが数日間で自然に軽快していた。本日1時間目の体育の授業中に,突然左胸痛を自覚したが,以前と同様に軽快すると思いそのまま授業を受けていた。しかし,しばらくして息苦しさが強くなったため教師に付き添われて受診した。
既往歴:15歳時に虫垂炎で手術。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長173 cm,体重60 kg。体温36.5℃。脈拍122/分,整。血圧96/58 mmHg。呼吸数30/分。SpO2 96%(マスク6 L/分 酸素投与下)。心音に異常を認めないが,左胸部で呼吸音の減弱を認める。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。
 胸部エックス線写真を別に示す。
 この患者に起こりうるのはどれか。

正解
c
国試正答率
97%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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