問題番号 : 108C25

80歳の男性。胸痛と息苦しさとを主訴に来院した。6か月前に多発転移を伴う肺癌の診断を受けた。「癌に対する積極的な治療は受けない」,「少しでも家族とともに過ごしたい」と訴え自宅で療養していた。1週前から両側の胸部鈍痛と息苦しさとを自覚し,自宅近くの診療所で非ステロイド性抗炎症薬を処方されたが改善しないため受診した。疼痛で食欲は低下しているが,食事摂取は可能である。来院時,意識は清明。身長168 cm,体重40 kg。体温36.0℃。脈拍96/分,整。血圧110/60 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。
 治療として適切なのはどれか。

正解
e
国試正答率
100%

Assessment
①80歳 ⇒ 高齢
②胸痛と息苦しさとを主訴に来院した

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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