問題番号 : 108A46

67歳の女性。右背部痛と発熱とを主訴に来院した。今朝,右背部に一過性の強い痛みを自覚した。夕方から発熱が出現し,ふらつきも自覚したため受診した。右の側腹部から背部にかけて自発痛がある。30歳ころから数年に一度の尿管結石の発作の既往がある。55歳から糖尿病を指摘されていたがそのままにしていた。意識は清明。身長157 cm,体重68 kg。体温39.8℃。脈拍112/分,整。血圧94/52 mmHg。呼吸数18/分。右肋骨脊柱角に叩打痛を認める。尿所見:蛋白1+,糖3+,潜血3+,沈渣に赤血球15~30/ 1視野,白血球 多数/ 1視野,細菌2+。血液所見:赤血球343万,Hb 12.6 g/dL,Ht 35%,白血球17,800(桿状核好中球10%,分葉核好中球75%,好酸球1%,単球2%,リンパ球12%),血小板8.0万。血液生化学所見:総蛋白6.4 g/dL,アルブミン3.3 g/dL,AST 124 IU/L,ALT 118 IU/L,LD 466 IU/L(基準176~353),尿素窒素34 mg/dL,クレアチニン1.8 mg/dL,尿酸6.8 mg/dL,血糖188 mg/dL,HbA1c(NGSP)7.2%(基準4.6~6.2),Na 132 mEq/L,K 4.8 mEq/L,Cl 101 mEq/L。CRP 24 mg/dL。来院時の腹部単純CT(A)(B)を別に示す。2セットの血液培養を行い抗菌薬の点滴静注を開始した。
 次に行うべき治療として適切なのはどれか。

正解
c
国試正答率
23%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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