問題番号 : 108A41

40歳の男性。乏尿と呼吸困難とを主訴に救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。 意識は清明 冷汗と下腿浮腫とを認める。 Ⅲ音とⅣ音とを聴取する。 両側の胸部にcoarse cracklesを聴取する。 脈拍108/分,整。血圧72/50 mmHg。呼吸数28/分。血液生化学所見: クレアチニン1.8 mg/dL,Na 134 mEq/L,K 3.8 mEq/L,Cl 100 mEq/L,脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉840 pg/mL(基準18.4以下)。動脈血ガス分析(room air):pH 7.32,PaCO2 30 Torr,PaO2 62 Torr,HCO3 15 mEq/L。 心エコー図(傍胸骨左縁長軸像)(A)(B)を別に示す。
  まず投与すべき治療薬で適切なのはどれか。

正解
b
国試正答率
64%

画像診断
上画像参照。
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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