71歳の男性。肺癌術後2日で入院中である。2日前,右上葉肺癌のため右上葉切除とリンパ節郭清術を行った。術中出血量は65 mL,手術時間は3時間10分だった。手術後の経過は順調で手術翌日から食事を開始した。しかし術後2日から胸腔ドレナージの排液量は500 mLに増加し,排液の性状は淡血性から黄白色混濁となった。喫煙は20本/日を50年間。意識は清明。身長160 cm,体重65 kg。体温37.0℃。脈拍84/分,整。血圧120/74 mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(鼻カニューラ1 L/分 酸素投与下)。眼瞼結膜に貧血を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めないが,呼吸音は右側で軽度減弱している。血液所見:赤血球362万,Hb 12.4 g/dL,Ht 36%,白血球7,700,血小板25万。CRP 2.4 mg/dL。心電図に異常を認めない。術後2日のポータブル胸部エックス線写真(A)と胸腔ドレナージ排液(B)とを別に示す。
この患者の術後合併症として考えられるのはどれか。