問題番号 : 107I75

70歳の男性。意識障害のため搬入された。冬の寒い日に長時間の停電があり,自宅で発見された時には意識はなく暖房は消えて室内は冷えきっていたという。救急搬送時から救急車内の暖房や保温シートなど表面加温が開始された。搬入時,意識レベルはJCSⅢ-300。腋窩温32.0℃。脈拍60/分,整。血圧92/52 mmHg。呼吸数10/分。SpO2 88%(リザーバー付マスク10 L/分酸素投与下)。全身の皮膚は冷たく,発汗はない。
 まず行うべきなのはどれか。

正解
b
国試正答率
38%

Assessment
①冬の寒い日,暖房は消えて室内は冷えきっていた ⇒ 寒冷

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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