問題番号 : 107H31

本問は,107H31~32の連問の一部です。

 82歳の女性。意味不明な言動を心配した家族に伴われて来院した。
現病歴:1週前までは特に変わった様子はなかった。数日前から食欲が低下し,昨日の朝からつじつまの合わない言動がみられるようになった。今朝はパジャマのまま外出してしまい,連れ戻そうとすると大声で騒ぐため,心配した家族に連れられて受診した。
既往歴:60歳時に甲状腺癌で甲状腺・副甲状腺全摘術を受けた。術後から甲状腺ホルモン,活性型ビタミンD及びカルシウム剤を服用している。65歳時から高血圧症で服薬加療中。最近は腎機能障害と高血糖とを指摘されている。
生活歴:娘の家族と同居。
家族歴:母親が脳卒中のため75歳で死亡。
現 症:体温36.0℃。脈拍64/分,整。血圧152/74 mmHg。呼吸数16/分。舌と皮膚とは乾燥している。開眼しているが,質問に対して返答せず,意味不明の発言を繰り返す。
検査所見:血液所見:赤血球367万,Hb 10.5 g/dL,Ht 33%,白血球4,200,血小板22万。血液生化学所見:随時血糖167 mg/dL,HbA1c(NGSP)6.0%(基準4.6~6.2),総蛋白6.4 g/dL,アルブミン3.3 g/dL,総コレステロール212 mg/dL,尿素窒素40 mg/dL,クレアチニン1.7 mg/dL,尿酸8.0 mg/dL,Na 142 mEq/L,K 4.5 mEq/L,Cl 100 mEq/L,Ca 13.0 mg/dL。CRP 0.5 mg/dL。

 この精神障害の原因として最も考えられるのはどれか。

正解
d
国試正答率
97%

Assessment
①意味不明な言動,大声で騒ぐ ⇒ せん妄状態
②数日前か

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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