問題番号 : 107G68

本問は,107G66~68の連問の一部です。

 17歳の男子。交通外傷のため搬入された。
現病歴:乗っていた乗用車が対向車と衝突し,受傷したため搬入された。助手席に座りシートベルトをしていたという。
現 症:頭部挫創から軽度の出血を認める。閉眼しており,痛み刺激を加えても開眼しない。顔面蒼白で冷汗を認める。口唇に裂創があり,出血した血液が口腔内に流れ込んでいる。呼吸は促迫しており,頻脈を認める。両上肢を触ると冷たく,湿っている。右下腿は明らかに変形している。病院到着直後に輸液と酸素投与とが実施されている。

現 症:体温35.4℃。モニター上の心拍数160/分。右上肢血圧60/40 mmHg。呼吸数40/分。SpO2 90%(リザーバー付マスク10 L/分酸素投与下)。左前胸部は変形し,打撲痕を認め膨隆している。同部位に握雪感を認める。
 血清電解質は,Na135 mEq/L,Cl101 mEq/L,HCO3 18 mEq/Lであった。
 アニオンギャップはどれか。

正解
b
国試正答率
100%

Assessment
 JATECの外傷初期診療手順に従って診察を続ける。

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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