問題番号 : 107G64

本問は,107G63~65の連問の一部です。

 25歳の男性。気分不良を主訴に来院した。
現病歴:官庁街近くのレストランで昼食をとっていたところ「液体のようなものがまかれた」という声がして,レストラン内で数人が倒れた。気分が悪くなったためレストランから飛び出し,徒歩で近くの病院を受診した。会話は可能であり,目の前が暗く感じ,鼻水が止まらないと訴えている。

 患者を救急室で診察し以下の情報を得た。
既往歴:幼少時からアレルギー性鼻炎がある。
生活歴:独身。1人暮らし。会社員。喫煙は20本/日を5年間。飲酒はビール500 mL/日を5年間。
家族歴:母親が高血圧症で内服加療中。
現 症:意識は清明。頭痛と悪心とを訴えている。体温36.8℃。脈拍108/分,整。血圧140/90 mmHg。呼吸数24/分。SpO2 92%(room air)。瞳孔は高度に縮瞳し,対光反射は消失している。鼻汁,流涎および発汗がみられる。四肢に運動麻痺を認めない。腱反射の異常を認めない。呼吸音に異常を認めない。心雑音を聴取しない。
 この患者で予想される血液生化学所見はどれか。

正解
e
国試正答率
99%

Assessment
①頭痛,悪心 ⇒ 急性中毒患者に一般的に認める自覚症状

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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