問題番号 : 107F28

本問は,107F28~29の連問の一部です。

 19歳の男性。左胸痛を主訴に来院した。
現病歴:昨日の夕方,散歩中に左胸の痛みに気付いた。深呼吸をするとさらに息が苦しくなる感じがした。自宅で様子をみていたが改善しないため,本日朝,徒歩で来院した。胸痛は我慢できないほどではない。
既往歴:12歳時に虫垂切除術。
家族歴:祖父が肺癌のため72歳で死亡。
現 症:意識は清明。身長176 cm,体重58 kg。体温36.5℃。脈拍88/分,整。血圧124/72 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97%(room air)。体位による痛みの変化を認めない。橈骨動脈の触知は良好で左右差を認めない。足背動脈の触知は良好で左右差を認めない。下腿浮腫を認めない。

 この患者の身体所見で最も考えられるのはどれか。

正解
e
国試正答率
97%

Assessment
①19歳の男性,左胸痛を主訴 ⇒ 若年男性であり,自然気

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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