問題番号 : 107F21
22歳の男性。健康診断の胸部エックス線写真で心陰影の拡大を指摘され来院した。自覚症状はない。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。脈拍72/分,整。血圧108/64 mmHg。心尖部に汎〈全〉収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。心電図は洞調律で,左側前胸部誘導でR波の高電位を認める。心エコー図(左室短軸像)(A)(B)を別に示す。後日行った冠動脈造影では異常を認めなかった。 治療薬として適切なのはどれか。
画像診断:上画像参照。Assessment:
無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。