問題番号 : 107E62

本問は,107E61~63の連問の一部です。

 20歳の男性。目が開きにくいことを主訴に来院した。
現病歴:山菜採りに行き,右前腕を虫に刺され痛みを感じたが,そのままにして昼食をとった。食後,約30分してから両眼瞼が開きにくくなり,息苦しさを自覚するようになったため,友人に連れられて来院した。
既往歴:5歳で気管支喘息。
生活歴:山菜採りが趣味で,虫に刺されることが多い。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識レベルはJCSⅡ-10。体温 37.5℃。脈拍 100/分,整。血圧80/50 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 85%(room air)。呼びかけると息苦しさを訴えせき込む。心音に異常を認めない。頸部と胸部とにwheezesを聴取する。頸静脈の怒張を認めない。腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない。体幹に膨疹を多数認める。顔面の写真を別に示す。

 治療薬として最も適切なのはどれか。

正解
a
国試正答率
99%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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