問題番号 : 107D52

68歳の男性。労作時の呼吸困難を主訴に来院した。3年前から労作時の呼吸困難を自覚していたが,3か月前から徐々に増強した。喫煙は20本/日を35年間。10年前に禁煙した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。意識は清明。身長172 cm,体重73 kg。脈拍72/分,整。血圧136/76 mmHg。呼吸数18/分。SpO2 95%(room air)。聴診で両側の背下部にfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球461万,Hb 13.9 g/dL,Ht 44%,白血球8,700(好中球58%,好酸球5%,単球6%,リンパ球31%),血小板26万。血液生化学所見:総蛋白7.6 g/dL,アルブミン4.1 g/dL,尿素窒素14 mg/dL,クレアチニン0.9 mg/dL,AST 22 IU/L,ALT 19 IU/L,LD 247 IU/L(基準130~235)。免疫学所見:CRP 1.0 mg/dL,サーファクタントプロテインD〈SP-D〉240 ng/mL(基準0~109)。胸部エックス線写真(A)と胸部高分解能CT(B)とを別に示す。
 この患者で低下しているのはどれか。2つ選べ

正解
b, d
国試正答率
93%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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