問題番号 : 107D34

77歳の男性。腹痛のため搬入された。1か月前から食欲がなくなってきたが,日常生活に支障はなかった。今朝,右上腹部痛を訴え,ふらついて寝床から起き上がれないため家族が救急車を要請した。脈拍116/分,整。血圧76/48 mmHg。SpO2 100%(リザーバー付マスク10 L/分酸素投与下)。腹部は軽度膨隆,軟で,肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球266万,Hb 8.9 g/dL,Ht 27%,白血球8,400,血小板15万,PT 79%(基準80~120)。血液生化学所見:アルブミン3.6 g/dL,尿素窒素25 mg/dL,クレアチニン1.0 mg/dL,総ビリルビン0.7 mg/dL,AST 28 IU/L,ALT 12 IU/L,ALP 269 IU/L(基準115~359),γ-GTP 75 IU/L(基準8~50),Na 142 mEq/L,K 4.0 mEq/L,α-フェトプロテイン〈AFP〉26.5 ng/mL(基準20以下)。免疫学所見:CRP 0.7 mg/dL,HBs抗原陽性,HCV抗体陰性。輸液を開始後,血圧は96/64 mmHgとなった。腹部造影CT(A)と腹部造影CT冠状断像(B)とを別に示す。
 次の対応として適切なのはどれか。

正解
e
国試正答率
40%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る