問題番号 : 107D32

58歳の女性。1か月前からの労作時の呼吸困難を主訴に来院した。2年前に健康診断で心電図異常を指摘されていたが,そのままにしていた。脈拍68/分,不整。血圧108/62mmHg。Ⅲ音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。両下腿に浮腫を認めない。頸部リンパ節を触知しない。皮膚に異常を認めない。血液生化学所見では血清ACEの上昇がみられる。胸部エックス線写真で両側の肺門リンパ節が腫大している。心電図(A)と心エコー図(B)(C)とを別に示す。
 診断に有用な検査はどれか。

正解
e
国試正答率
75%

画像診断
心電図を上に示す。
V1,V2<

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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