問題番号 : 107D27

53歳の女性。血痰を主訴に来院した。半年前から咳嗽と喀痰とを自覚していたがそのままにしていた。2週前から血痰があった。発熱はない。毎年の健康診断時に胸部エックス線写真で異常を指摘されていたが,変化を認めないため治療は受けていなかった。身長150 cm,体重37 kg。体温36.8℃。脈拍68/分,整。血圧112/66 mmHg。呼吸数16/分。SpO2 96%(room air)。右前胸部にcoarse cracklesを聴取する。喀痰検査:Ziehl-Neelsen染色でGaffky 3号。血液所見:赤血球356万,Hb 12.1 g/dL,Ht 32%,白血球5,700(桿状核好中球15%,分葉核好中球45%,好酸球1%,単球14%,リンパ球25%),血小板22万。CRP 1.0 mg/dL。結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法〈IGRA〉は陰性。胸部エックス線写真で気管支拡張所見を認めるが,1年前の健康診断時の所見と変化を認めない。肺野条件の胸部単純CTを別に示す。
 最も考えられるのはどれか。

正解
c
国試正答率
89%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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