問題番号 : 107C28

本問は,107C28~29の連問の一部です。

 84歳の男性。尿閉と下腹部痛とを主訴に来院した。
現病歴:以前から尿意を催しても排尿に時間がかかることを自覚していた。2,3日前から鼻水と咳とがあり,昨日の朝から市販の総合感冒薬を服用した。その後さらに尿が出にくくなった。今朝はほとんど尿が出ず,下腹部痛も自覚したため受診した。
既往歴:特記すべきことはない。
生活歴:喫煙は20本/日を60年間。
家族歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。体温36.4℃。脈拍76/分,整。血圧158/78 mmHg。呼吸数14/分。SpO2 97%(room air)。頭頸部と胸部とに異常を認めない。腹部は下腹部が膨隆しており,やや硬い。軽度の圧痛がある。

 現時点で実施する必要がないのはどれか。

正解
d
国試正答率
89%

Assessment
①尿閉 ⇒ 基礎疾患と原因を考える
②総合感冒薬 ⇒ 副

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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