問題番号 : 107B45

62歳の男性。呼吸困難のため搬入された。3年前から右下肢の筋力低下が出現し,階段を昇りにくくなった。2年前から左下肢の筋力低下も出現し,歩行が困難になった。1年前から両手の筋力低下も出現し,3か月前から食事摂取量が減少している。本日の夕方から呼吸困難が出現したため,同居する家族が救急車を要請した。意識は清明。身長165 cm,体重55 kg。体温36.2℃。脈拍112/分,整。血圧150/100 mmHg。呼吸数22/分。神経学的診察では,構音障害,嚥下障害,四肢の筋力低下・筋萎縮および四肢腱反射亢進を認める。感覚障害と運動失調とを認めない。舌の写真を別に示す。
 この患者で予想される検査所見はどれか。

正解
c
国試正答率
91%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

無料会員登録して、解説をすべて見る