問題番号 : 107A50

64歳の男性。下肢の痛み,感覚鈍麻および体重減少を主訴に来院した。半年前の健康診断で高血糖を初めて指摘されたが腎障害はなく医療機関を受診しなかった。1か月前から両下肢感覚鈍麻があり,食欲低下が続き体重が3 kg減少した。身長170 cm,体重58 kg。体温37.0℃。脈拍92/分,整。血圧148/86 mmHg。呼吸数16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。両下腿の感覚低下を認める。下腿に浮腫と紫斑とを認めない。尿所見:蛋白3+,糖(-),沈渣に赤血球30~49/ 1視野,顆粒円柱1~4 / 1視野。血液所見:赤血球311万,Hb 9.5 g/dL,Ht 29%,白血球4,500(分葉核好中球63%,好酸球4%,好塩基球1%,単球7%,リンパ球25%),血小板24万。血液生化学所見:空腹時血糖132 mg/dL,HbA1c(NGSP)6.4%(基準4.6~6.2),総蛋白6.8 g/dL,アルブミン3.0 g/dL,尿素窒素69 mg/dL,クレアチニン4.3 mg/dL,総コレステロール266 mg/dL,トリグリセリド215 mg/dL,Na 140 mEq/L,K 6.0 mEq/L,Cl 110 mEq/L,Ca 8.6 mg/dL,P 5.0 mg/dL。免疫学所見:CRP 3.5 mg/dL,CH50 54.7 U/L(基準30~40)。腎生検のPAS染色標本を別に示す。
 最も考えられるのはどれか。

正解
c
国試正答率
64%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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