問題番号 : 107A29

60歳の女性。咳嗽を主訴に来院した。6か月前に人間ドックで異常なしと診断されたが,1か月前から咳嗽が出現し,改善しないため受診した。喫煙は20本/日を40年間。意識は清明。身長158 cm,体重57 kg。体温36.2℃。脈拍64/分,整。血圧134/82 mmHg。呼吸数20/分。SpO2 96%(room air)。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球418万,Hb 12.9 g/dL,Ht 40%,白血球4,600,血小板15万。血液生化学所見:総蛋白7.5 g/dL,アルブミン3.5 g/dL,AST 30 IU/L,ALT 28 IU/L。胸部エックス線写真(A),胸部造影CT(B)及びPapanicolaou染色による喀痰細胞診(C)を別に示す。全身検索で遠隔転移を認めない。
 最も適切な治療はどれか。

正解
e
国試正答率
60%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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