問題番号 : 107A25

53歳の男性。発熱と全身の皮疹とを主訴に来院した。脳腫瘍術後に出現したてんかんに対し1か月前からカルバマゼピン内服を開始した。2日前から顔面と頸部とに紅斑が出現し,全身に拡大した。発熱もみられたため受診した。体温38.5℃。頸部リンパ節腫脹を認める。全身に紅斑を認める。口腔粘膜に異常を認めない。血液所見:赤血球420万,Hb 13.5 g/dL,Ht 41%,白血球12,300(好中球59%,好酸球15%,好塩基球1%,単球7%,リンパ球11%,異型リンパ球7%),血小板13万。血液生化学所見:AST 88 IU/L,ALT 91 IU/L,LD 425 IU/L(基準176~353)。CRP 3.3 mg/dL。胸腹部の写真を別に示す。なお,初診時に比べ,4週後の再診時には抗ヒトヘルペスウイルス6 IgG抗体価の有意な上昇を認める。
 最も考えられるのはどれか。

正解
e
国試正答率
93%

画像診断
上画像参照。

Assessment

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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