問題番号 : 106I79

75歳の女性。2時間持続する激しい前胸部痛を主訴に来院した。意識は清明。脈拍88/分,整。血圧104/88 mmHg。呼吸数16/分。心音と呼吸音とに異常を認めなかった。心電図のV1~V5誘導でST上昇を認めたため,緊急入院し,治療を行った。入院後3日,突然の呼吸困難を自覚した。脈拍104/分,整。血圧90/70 mmHg。呼吸数24/分。心音の聴取で,入院時に認めなかった全収縮期雑音を認める。
 この時点の病態として考えられるのはどれか。2つ選べ

正解
b, d
国試正答率
84%

Assessment
①2時間持続する激しい前胸部痛 ⇒ 心筋梗塞? 大動脈解

無料会員登録していただくと、実際の解説をすべて見ることができます。急性の呼吸困難を主訴とする疾患としては,喉頭浮腫,気道異物,自然気胸,気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患の急性増悪などの呼吸器疾患,心不全(急性,慢性の急性増悪),肺血栓塞栓症などの循環器疾患が代表的である。この症例では呼吸器感染症と心不全が疑われるが,胸部エックス線写真は肺炎像というよりも両心不全を示唆する所見を示している。診断:心不全(両心不全)(Nohria分類wet and warm) 選択肢考察 ×a 強い呼吸困難,胸痛などにより安静が保てない場合には,血管拡張による前負荷軽減と,交感神経抑制による心筋酸素消費量の減少を目的としてモルヒネを使用する。この症例ではモルヒネが必要となるほどの興奮状態ではない。

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